どのように帰っていったかはよく覚えていませんが、ふと気が付くと自宅の玄関の前に立っていました。ドアを開けて「ただいま」と言ったのです。

いつもは「ただいま」と言いながらそのまま上がるのですが、ただいまと言ったものの上がる気がしません。「ただいま」と何度も言ったら家内が奥から出てきて「お帰りなさい。どうしてそこに立っているの?」と言うものですから、「いやちょっと聞いてくれ。俺ね、7月10日になったらいなくなるから。死ぬような気がするんだ」と。「でも元気そうに見えますけど?」と家内。「いや元気なんだけど・・・」、「まぁ早く上がったら?」と言い残して家内は奥に引っ込んでしまいました。