電話をしたら、思いがけず本人が出られました。私の心の準備が整わないままに本人が出られたものですから、「あ、こんばんは・・・。今日は節分ですが・・・」と、慌てていますから切り出し文句がとても不自然です。

「ああ、そうですなぁ」

「あのう・・・、ま、一年間お世話になりました」と言いました。

7月10日になったら死ぬのだろうかということを聞きたいのですから、次は、「お世話になりました。また一年よろしくお願いします」と続けるところを、どうしてもそれが言えませんでした。今電話をかけているのは、死ぬか生きるか、そのことを聞くためだと思っているわけです。それが、単刀直入に言えないものですから、そういう時はなぜか回りくどい言い方になるのです。それで、余計なことまでしゃべってしまったのです。