(21)達弥西心のわかりやすい話「開業」

達弥西心のわかりやすい話「開業」

●かわたれ   私は人に喜びを与えるために生まれてきた(3/23) - HMU 達弥西心

同時に、いろんなことを知りたくて聞きかじっていた、やりかじっていた瞑想だとか呼吸法だとかを思い出しながらやってみました。目をつぶれば描けるとか耳を澄ませば聞こえるとか、習ったことを改めてやってみましたが全部うまくいきません。

いろんなことを分かりたいとあれこれ思ったのですが、結局のところ私は何をするために生まれてきたのか、私は何のために生まれてきたかだけが分かればいい、それだけでもういいと思うようになりました。

●かわたれ   私は人に喜びを与えるために生まれてきた(2/23) - HMU 達弥西心

別に何かに未練があるわけではありませんでしたが、そんなふうに思い始めた時に、段ボール箱に仕舞ってしまった講師の先生方の本の内容について思い出すのです。あの先生はこういうふうに言っていたなぁ、と。おそらくこの本の中に答があるはずだと、ノートを買ってきてノートを開いて、その本の中から自分が生まれてきたと思われる目的に合致しそうな言葉を書き出すことにしたのです。

●かわたれ   私は人に喜びを与えるために生まれてきた(1/23) - HMU 達弥西心

そんな日常が始まって、「7月10日まで、はて、何をしようか」とずっと考えていたのですが、時間があるということは同時に余計なことも考えてしまうもので、「死ぬのはいい、でも何でこんな中途半端な時なんだろう」と思い始めるのです。

すると、「私は何のために生まれてきたのだろう」と考え始めて、「このために生まれてきたのだろうか、あのためだったのだろうか」と考えをめぐらします。「まぁいいや、こうやって思い切り仕事ができたじゃないか」とまとめようとします。「いろんな人と出会ったからいいじゃないか」とも思います。

しかし何をどう考えてもどこかがしっくりこない、待てよ、これはちょっと本気で、何のために生まれてきたのかを考えなくちゃ、よく分かったうえでないと後悔が残る、このままでは納得してあの世に行くことはできない、と思い始めたのです。

●かわたれ  会社を辞める(3/3) - HMU 達弥西心

そんな感じで、一日中机についていても本当に暇なのです。「本当に私はいなくなるんだなぁ、いなくなってもいいんだなぁ」と自分の姿を状景のなかに見ながら、ぼんやりと思いました。

なんにもすることがなくなって思うのは、「死んでもいい、やるだけのことはやったし、いなくなってもいい、会社も何とか回っていく、別に私はいらないよね」という納得でした。それこそ「壊れたグラスは捨てられるのだから、役割を終った私も退陣するのがいい」と思っていました。

●かわたれ  会社を辞める(2/3) - HMU 達弥西心

しかし今度は本当に私がいなくなるのですから、実際に譲らなければいけません。さっそく朝礼で話を出しました、「今日はもういいですから、私に決裁いりませんから、今後は一切必要ありませんので、みなさんで処理してください」と伝えました。「4月末には会社にも出てこなくなるし、7月には退陣しようと、引退しようと思います」と告げました。

社員は一様に戸惑った様子でしたが、結局「わかりました」ということでした。

しかし何だかんだと電話がかかってくるのです。「あ、社長ですか」と言っているので、「あ、私に回してくるかも知れない」と思ったのですが、まったく来ません。「なあんだ、私がいなくてもちゃんとできるじゃないか」とほっとした反面、さびしい気持ちにもなりました。

●かわたれ  会社を辞める(1/3) - HMU 達弥西心

翌日会社に出社すると、社長を誰にするかを決めることにしました。結果、部長だった男に「会社、任せるから」と告げました。

以前にも一度、社長を辞めようと思ったことがあって、その部長だった男は私が社長を譲ろうと思っていた相手だったのです。

そのときは幹部社員が全員、社長が辞めるなら自分たちも辞めると言い出し、収拾がつかなくなって、仕方なく私が続投することにしたのです。

●かわたれ  意外な家族の反応(3/3) - HMU 達弥西心

そして今度は居間の方へ入ると、当時小学四年生の長女がテレビを見ていました。

「お父さん、7月10日になったらいなくなるからね」と言ったら、この子だけが「どうしちゃうの」、「いや死ぬかもしれない」と言ったら、私のほうをじっと見上げて涙をいっぱいに溜めて泣き出しました。

私が、「でもお兄ちゃんがいるからいいだろ?」と言ったら、元気よく「うん!」と言ってそれで終わりました。こうして家族には案外あっさりと話がつきました。

●かわたれ  意外な家族の反応(2/3) - HMU 達弥西心

靴を脱いで上がったら、二階から長男が降りてきました。

中学三年生で、受験勉強をやっていましたが、その長男が階段を降りてきたので、また同じ話をしました。

「私、7月10日になったらいなくなるから。たぶん死ぬから」と。すると長男は言いました。「いいじゃない、やるだけのことはやったんでしょう?」と。「まあ、やるだけのことはやったけど。でも私がいなくなると、この家の世帯主はいずれおまえになるよ」と言ったら、「うん、わかった」とあっさりと話が終わりました。

●かわたれ  意外な家族の反応(1/3) - HMU 達弥西心

どのように帰っていったかはよく覚えていませんが、ふと気が付くと自宅の玄関の前に立っていました。ドアを開けて「ただいま」と言ったのです。

いつもは「ただいま」と言いながらそのまま上がるのですが、ただいまと言ったものの上がる気がしません。「ただいま」と何度も言ったら家内が奥から出てきて「お帰りなさい。どうしてそこに立っているの?」と言うものですから、「いやちょっと聞いてくれ。俺ね、7月10日になったらいなくなるから。死ぬような気がするんだ」と。「でも元気そうに見えますけど?」と家内。「いや元気なんだけど・・・」、「まぁ早く上がったら?」と言い残して家内は奥に引っ込んでしまいました。

●かわたれ   節分の夜、それは起こった(23/23) - HMU 達弥西心

これらの本を眺めながら思ったこと、感動した自分の本だけど誰かにやるといっても読みはしないだろうということでした。私は感動したけれど私がいなくなったらなくなってしまう、意味のないものになってしまう、人は本から何を学んで何を残すのだろうと。残すものは無い、すべて消えてしまうと思ったのです。

すると、急に虚しくなって、段ボール箱を持ってきてそれらの本をその箱にしまい込んだのです。一冊も残さずに。もうおしまいなんだからと。三つくらいの箱になりました。三つの箱を積み上げたら、何だかけじめがついたような気がして、ほっとしました。そのあと、急に「そうだ、家に帰ろう」と思い立って、車を走らせました。
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