(21)達弥西心のわかりやすい話「開業」

達弥西心のわかりやすい話「開業」

●かわたれ  会社を辞める(1/3) - HMU 達弥西心

翌日会社に出社すると、社長を誰にするかを決めることにしました。結果、部長だった男に「会社、任せるから」と告げました。

以前にも一度、社長を辞めようと思ったことがあって、その部長だった男は私が社長を譲ろうと思っていた相手だったのです。

そのときは幹部社員が全員、社長が辞めるなら自分たちも辞めると言い出し、収拾がつかなくなって、仕方なく私が続投することにしたのです。

●かわたれ  意外な家族の反応(3/3) - HMU 達弥西心

そして今度は居間の方へ入ると、当時小学四年生の長女がテレビを見ていました。

「お父さん、7月10日になったらいなくなるからね」と言ったら、この子だけが「どうしちゃうの」、「いや死ぬかもしれない」と言ったら、私のほうをじっと見上げて涙をいっぱいに溜めて泣き出しました。

私が、「でもお兄ちゃんがいるからいいだろ?」と言ったら、元気よく「うん!」と言ってそれで終わりました。こうして家族には案外あっさりと話がつきました。

●かわたれ  意外な家族の反応(2/3) - HMU 達弥西心

靴を脱いで上がったら、二階から長男が降りてきました。

中学三年生で、受験勉強をやっていましたが、その長男が階段を降りてきたので、また同じ話をしました。

「私、7月10日になったらいなくなるから。たぶん死ぬから」と。すると長男は言いました。「いいじゃない、やるだけのことはやったんでしょう?」と。「まあ、やるだけのことはやったけど。でも私がいなくなると、この家の世帯主はいずれおまえになるよ」と言ったら、「うん、わかった」とあっさりと話が終わりました。

●かわたれ  意外な家族の反応(1/3) - HMU 達弥西心

どのように帰っていったかはよく覚えていませんが、ふと気が付くと自宅の玄関の前に立っていました。ドアを開けて「ただいま」と言ったのです。

いつもは「ただいま」と言いながらそのまま上がるのですが、ただいまと言ったものの上がる気がしません。「ただいま」と何度も言ったら家内が奥から出てきて「お帰りなさい。どうしてそこに立っているの?」と言うものですから、「いやちょっと聞いてくれ。俺ね、7月10日になったらいなくなるから。死ぬような気がするんだ」と。「でも元気そうに見えますけど?」と家内。「いや元気なんだけど・・・」、「まぁ早く上がったら?」と言い残して家内は奥に引っ込んでしまいました。

●かわたれ   節分の夜、それは起こった(23/23) - HMU 達弥西心

これらの本を眺めながら思ったこと、感動した自分の本だけど誰かにやるといっても読みはしないだろうということでした。私は感動したけれど私がいなくなったらなくなってしまう、意味のないものになってしまう、人は本から何を学んで何を残すのだろうと。残すものは無い、すべて消えてしまうと思ったのです。

すると、急に虚しくなって、段ボール箱を持ってきてそれらの本をその箱にしまい込んだのです。一冊も残さずに。もうおしまいなんだからと。三つくらいの箱になりました。三つの箱を積み上げたら、何だかけじめがついたような気がして、ほっとしました。そのあと、急に「そうだ、家に帰ろう」と思い立って、車を走らせました。

●かわたれ   節分の夜、それは起こった(22/23) - HMU 達弥西心

電話を切って、あらためて恐いと思い始めました。7月10日に死ぬのだと思いました。お坊さんもちっとも親切じゃないなあ、うそでもいいからいや冗談冗談といってくれればよいのにと思ってみたものの、結局そうは言ってくれなかったことが大きなショックでした。椅子に座ったまま「やっぱりそうかぁ」としばらく呆然としていました。

やっぱりあの夢は本当だったのだと思った。その時間、電話が一本もかからない。営業社員は誰も帰ってこない。窓の外には通りに車が一台も通らない。真空空間のような不思議な世界。世界中にひとりしかいない。窓の方を見るとまぬけな顔をしてこっちを見ている、生きる気力を失った自分の顔がありました。

回転椅子に座ったままでぐるりと後ろを向くと、書棚があり、今まで読んだ本がたくさん並んでいました。講演会を主催していましたから、講演会の講師の著書を読んだり、気に入った箇所にはラインを入れたりした、そういう本をぎっしりと詰め込んでいました。

●かわたれ   節分の夜、それは起こった(21/23) - HMU 達弥西心

お坊さんが言うのだから間違いない、やっぱり死ぬのだと思いました。気分がそんな感じになってきて、死ぬのが恐いとは思いませんでしたが、次第に無気力になっていくのを感じました。受話器を握りしめたまま呆然としていました。

そして電話の向こうのお坊さんもこちらの私がいつまでも黙っているものですから、気にされているのを感じます。ちょっと脅しすぎたかなという感じだったかもしれません。

「まぁでも、7月10日というとあと半年もあるしなぁ」と言われて、でも私はちゃんと計算してあと5ヶ月しかないと思っています。お坊さんは続けて「こちらに来たときは電話してくれ。一緒に酒でも飲もうや」と伝えます。

私は、いや飲めない、この人につきあっていると振り回されてしまう、と思っています。「いや結構です」と、大人気ない口調で一言告げました。自分から電話をかけておいて「失礼します」と電話を切ったのです。そうです、失礼です。二度と電話をするものかと思いました。

●かわたれ   節分の夜、それは起こった(20/23) - HMU 達弥西心

するとお坊さんが、にわかに私に分からない専門用語を使って説明し始めたのです。そこで私が気が付けばよかったのですが、私にはそんなことを聞きたいのではなくて、という思いがありましたので、早く本題に入ろうと「ところでその日なんですけど私、五黄で五なんですけど死ぬんでしょうか」とお坊さんの話をさえぎるように単刀直入に質問をぶつけたのです。いけないことをしてしまいました。

すると、電話の向こうでウッと止まったのがわかりました。そしてやや躊躇ったかのように「おお、ようわかったね」という言葉が聞こえてきました。

意地悪されたのだと思います。入り込みすぎたために「よくわかったね」と応答されたのです。

「死ぬのかって?そんな馬鹿なことないじゃないか」という言葉を期待していた私は、思いもよらない言葉に血の気がすーっと引くのを感じました。

●かわたれ   節分の夜、それは起こった(19/23) - HMU 達弥西心

「四つの盤があってですね」と。最初は黙って聞いてくれたのですが、そのうち「夜11時で日が替わるんですよね」、「おう」とかなんとかやりとりがあって、次第に雲行きがあやしくなってきて、「そんなふうに見ていくとですね、7月の10日のところまでにいくと、つまり9日から10日になる時なんですが、年盤・月盤・日盤・時間盤の四つの盤の五という数字が、私五黄ですから、五という数字がですね、北と南と東と西に散らばるんですよね」と言った途端に、「おう、そのことはわしも注目しとった、暦を見てこうなるな、と。あの日をもって右回りになるか左回りになるかは、わしもちょっと思っていたところだ」と。

要するに、専門家である自分も気が付いていたのだが、ど素人のおまえがどうやってそれに気が付いたんだと言いたかったのだと思います。専門家の領域に土足で踏み込んでしまったのです。

●かわたれ   節分の夜、それは起こった(18/23) - HMU 達弥西心

そういうことがあって、お坊さんとはあまりそういう関係では関わりたくなかったのですが、死ぬの生きるのという事態になった時、相手は専門家ですから、私は「あの時ですね・・・」と「あること」を話し始めました。

「あのあと、本屋に行ったんです。本屋に行って、暦を買ってきたんです。店には何種類かあって、3冊ほど買ってきたんです。買ってきてそれを毎日ずーっと読んでいたら、あることが分かったんです」と一気にしゃべった。お坊さんは暦の専門家、こちらは全くのど素人、教えてやろうというのに拒否しておいて、「分かったんです」などとしゃべってしまったのです。
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