（２１）達弥西心のわかりやすい話「開業」

そういうやり方なら３日くらいあれば引き継ぎはできると思います。そんなに難しいことはないでしょう。

たとえばマニュアルがあれば、ちょっと理解ができる人は、それをサッと読んだだけでできるようになります。ああ頭いいねえと、頭が良い人が上にくるようなイメージです。

どうしてそうなるのかというと、たいていの場合、事務員の引き継ぎをやっているからです。事務員の引き継ぎの場合、これはこうすると手順を教えればいいのです。

新年度などで新しい体制になると、いろいろなところで引き継ぎをします。うまく引き継ぎをするところと、うまくできないところがあります。会社に新しい社員が入ってくると、前からいる先輩社員は教えます。ところが、うまく教えられる場合と、教えられない場合があります。

こんど「１００年の森」と名付けたブドウ園をつくることにした。秋になるたびに実りをつけてほしいから。そして１００年あともそこにあってほしいから。

政治は天が動かす。国は人が造る。国はやさしい想いで造りたい。自分の子に「やさしくしてくれてありがとう」と言われることが、私の理想だ。

はじめに花壇をつくった。そこに光があったから。花は道行く人をなぐさめてくれるから。ふるさとの入口に花壇をつくった。

つぎにバスを走らせた。ずっと昔、走っていたから。寄付してくれる人がいたから。ポンコツバスを塗り替えて、いまも村と町を行ったり来たり、走っている。

景気のいい顔というものは、いつもニコニコして、お金はそんなに入ってきていないけれども入ってきているようなフリをして、うれしそうに、たのしそうにして、そうやってお金を出すというのが、景気がいいということだから。

店はにぎやかで、活気づいていて、ほんとに来てよかったなという感じの、そういう店を心がけていきたいと思う。つまりは、どんじゃらほい！なのだ。

景気というのは元気な様子のことだから。何がどうということではなくて、景気を上げるというのはそういうことなのだ。

「景気の悪そうな顔をするな」というのは、要するにブスッとしている顔はダメだということ。ブスは「毒」と書く。毒がまわった顔が不景気な顔というわけ。

そしてふと恐くなりました。かゆいのが背中のここだからまだいいけれど、頭の中の脳と頭蓋骨の間がかゆくなったらどうしようと思ったのです。かゆみがここにいくまでに何とかしなきゃいけないな、メッセージを取りきらなくてはと真剣に思いました。

一人、部屋の中でそんなことを焦りながらも真剣にずっと考えていましたら、すっと冷静になって、「中から何か言っている、外からではない、中から誰かが、何かを言っている」と思ったのです。かゆいのは外からではなく中からなのだ、からだの中に誰かいる、その、中にいる人は誰？というふうに思い始めると、「私自身」ということになったのです。

ある夜中に背中がかゆくなって、かゆいなぁと思い始めると止まらなくなって、最初は掻いていたのですがかゆみが止まらないのです。そのかゆみがだんだん、だんだん上にあがってきてとうとう手が届かなくなると、今度は上から腕を回して掻こうとするのですが、上の手と下の手がちょうど出合わないあたりがかゆくなるのです。かゆみが移動するのです。手が届かないあたりで、しかも気がふれるくらいにかゆいのです。

たまらず、部屋の柱の角に背中をあててこすり付けるようにして掻いたのですが、そうしながらふと思ったのです。要するに誰かが何かを言ってきているのだけれど、そのかゆみは冷静に分析してみると、皮膚の表面がかゆいわけではなく、皮膚の内側がかゆいのです。背骨と皮のちょうど中間あたりがかゆいのです。しかも自由自在に動き回るのです。気が狂うようなかゆさです。